RAW CHOCOLATE

ローチョコレートとは?驚くべき効果や成分も!ショコラティエが解説

こんにちは、ローチョコレートショップOPENER Chocolateのオーナー&ショコラティエの山内智子です。

「美容や健康に良い」「おいしい!」などと話題に上ることも多くなってきた「ローチョコレート」。材料が全て植物性であることが多いためヴィーガンスイーツとしても注目されています。

しかし、「普通のチョコレートとの違いがイマイチわからない」「食べるとどんな効果があるの?」と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

 

Tomoko
今回はローチョコレートのショコラティエの私がそんな疑問にお答えしていきます!

 

 

ローチョコレートとは何か? 通常のチョコレートとの違い

完結にお伝えすると、ローチョコレートとは「加熱されていない(=Raw)チョコレート」のこと

通常のチョコレートはいわゆる「香ばしさ」を出すことなどを目的とし100度以上の温度でカカオをローストして製造されます。

それに対して、ローチョコレートは、48度以下に低温管理された特別な製法(焙煎のかわりに天日干しをすることが多い)で仕上げられたカカオから作られます。

また、カカオ以外の使用材料も通常と異なり、以下のような特徴があります。

身体に負担がなく、健康や美容に嬉しいものを使用することが特徴です。

【材料の特徴】

非加熱:なるべく非加熱のものを使用。ナッツは特にローストナッツではなく生ナッツを使用する。(ローストのかわりに浸水処理という処理を行います。)

植物性:ほとんどのローチョコレートが動物性不使用。たまにハチミツを使用しているものがあるイメージです。

栄養価が高く身体に負担のないもの:カカオ以外の材料もスーパーフードと言われる栄養価の高いものなどを使用。通常のチョコレートは甘味料として白砂糖をたっぷり使用することが多いですが、ローチョコレートはそれらを使用しません。かわりに低GIのメープルシロップやココナッツシュガーなど精製されておらず栄養価の高いものを使用します。

食品添加物は使わない:上の項目と重なる部分はありますが、乳化剤や合成着色料、保存料などの食品添加物も基本的に使用しません。カラフルなローチョコレートは着色料を使用せず、フルーツや野菜などから出来たパウダーを使用して色付けされます。

オーガニックや無農薬栽培、自然栽培の材料を使用:これはすべてのローチョコレートショップには当てはまらないかもしれませんが、大部分のローチョコレートショップが材料の栽培方法にもこだわっている傾向にあります。

※白砂糖、動物性の材料、食品添加物については、オーガニックやビーントゥバー系のチョコレートショップなどでもちろん不使用のショップもあります!

 

なぜ非加熱?カカオを焙煎しないメリット

それではなぜローチョコレートは非加熱のカカオを使用するのでしょうか。

その答えは「カカオの持つ酵素、健康や美容に有効な成分を熱で壊さないようにするため」です。

これは食べ物を非加熱で摂ることにより、食べ物の持つ心身へのメリットをなるべく多く取り入れようとする「ローフード」の考えに基づいています。

メモ

「ローフード」・・・酵素を含む食べ物を多く摂取すれば体に良い効果があると考え、加工されていない生の食材を用いた食品、あるいは食材を極力生で摂取する食生活のこと。スムージーやコールドプレスジュースもローフードの一種。

素晴らしい栄養素を多く含むカカオですが、加熱すると大変貴重な成分の一部が失われてしまいます。

正直なところ、加熱して失われてしまう栄養素や酵素について知ると「カカオを加熱してしまうのはもったいない…。」と感じるかと思います。

次の項でご紹介します。

 

ローチョコレートだからこそ!摂りやすい成分とその効果

カカオに含まれる栄養成分として有名なものにはカカオポリフェノールなどの抗酸化物質やカカオプロテインなどがあります。

その他、素晴らしい栄養成分を多く含むカカオですが、それらは少なからず加熱により影響を受けるものが多いと考えられています。

焙煎温度100℃と150℃のものを比較しても栄養成分の含有量に違いが出るほど加熱による影響は大きいです。

たとえば抗酸化物質ひとつ取ってもみても、加熱による減少がいくつもの研究で確認されています。

ここでは、そのなかでも特に加熱による影響を受けやすい成分(非加熱のカカオだからこそ摂りやすくなる成分)とその効果にフォーカスしてご紹介します。※参考文献は本項の最後に記載

最初に結論をお伝えすると、その代表的な成分は

・ビタミンC

・フェニルエチルアミン(PEA

・トリプトファン

です。それらの成分から期待できる効果には以下が挙げられます。

・抗酸化作用(エイジングケア)

・抵抗力を強める

・集中力を高める

・食欲抑制

・脳内の「幸せ物質」を生成させる(リラックス効果等) など

加えて、カカオの持つ酵素を摂ることができるので

・栄養素をスムーズに吸収しやすくなる

・代謝アップにつながる

・血液の循環が良くなる

と言われます。まとめると、

ローチョコレートは加熱されたチョコレートに比べ、幸せを感じやすくする物質やビタミンCなどが含まれており、加えて酵素も摂れる。そのためカカオの持つ心身への効果を最大限に取り入れることができるものだと言えます

 

メモ

あまり知られていないですが、チョコレートは実は発酵食品。カカオをチョコレートにするまでに、発酵させる工程があります。発酵食品の効果をそのまま享受するにはなるべく加熱をしないことがポイント。「ローチョコレートは発酵食品であるチョコレートのメリットを取り入れやすいチョコレート」とも言えます

 

詳細が気になる方のために、以下に詳細をご説明しておきます。(「細かいことはいいよ」という方は飛ばして次項「味は美味しいの?」におすすみください!」)

 

ビタミンC

実はカカオは大変多くのビタミンCを含んでいます。その量は、乾燥した木の実や種と比較してもとても高い数値。しかし、この貴重なカカオのビタミンCは加熱すると失われてしまいます。

作用:抗酸化作用、がんや動脈硬化の予防や老化防止、皮膚のメラニン色素の生成を抑え日焼けを防ぐ作用、ストレスやかぜなどの病気に対する抵抗力を強める など

フェニルエチルアミン(PEA

こちらもカカオ豆の焙煎時に破壊されるか凝固してしまうため加熱されたチョコレートには含まれていない物質。PEAはなんと、私たちが恋に落ちた時に体内で生成される主要な物質。私たちの気分を高めてくれます。

作用:集中力を高める、俊敏さを高める、食欲抑制効果(恋愛をすると食欲がなくなるのはこの物質のしわざだと言われます)、抗うつ作用 など

※探してみると、加熱したチョコレートにも0.0006%というかなり微量(!)のPEAが含まれているという文献もあります。しかしながら、カカオにPEAは2.2%含まれていると言われています。よりピュアな状態の非加熱のカカオから作られるローチョコレートには加熱したチョコレートよりも多くのPEAが含まれていると予想できます。

トリプトファン

必須アミノ酸のひとつ。「幸せ物質」と呼ばれるセロトニンの生成に欠かせない物質。加熱によって破壊されやすい性質を持ちます。加熱されたチョコレートにも含まれてはいるものの、ローチョコレートにはより多く含まれています。(カカオの焙煎により、トリプトファンを含むアミノ酸の量が最大7分の1ほどと大幅に減少している研究結果もあり。)

作用:ストレス軽減、自律神経を整える、不眠解消、PMS軽減 など

 

古来より「神々の食べ物」と呼ばれてきたカカオ。

上記以外のカカオの持つ素晴らしい成分やその効果は書ききれませんので、別途記事にします!

参考文献:「SUPER FOODS」 「Naked Chocolate」デイヴィッド・ウォルフ 著、「『酵素』の謎」鶴見 隆史 著、'Effect of roasting parameters on the physicochemical characteristics of high-molecular-weight Maillard reaction products isolated from cocoa beans of different Theobroma cacao L. groups' European Food Research and Technology、'EFFECT OF SUPERHEATED STEAM ROASTING ON THE PHENOLIC ANTIOXIDANT PROPERTIES OF COCOA BEANS' Journal of Food Processing and Preservation、'The effect of fermentation and roasting on free amino acids profile in Criollo cocoa' Brazilian Journal of Food Technology)

 

味は美味しいの?

ここまで読んでいただいた方のなかには、「そんなにメリットばかりならなるべくローチョコレートを食べたいけれど、健康に良いものってあまり美味しくないイメージだし、味は大丈夫かな...。」と心配になる方もいるかもしれません。

味についての感覚は人それぞれですので、好き嫌いは分かれると思います。

ただ、ローチョコレートの仕事に携わっていると「意外と(健康志向ではない)普通の人にも美味しいと思ってもらえるんだ!」と思う機会が多いということはお伝えできます。

しかしながら、ボンボンショコラのようにミルク感たっぷりで白砂糖の尖った甘さを求めている場合だと少し物足りなく感じるかもしれません。

また、焙煎されていないためカカオ本来の独特の香りや味を感じることができ、その風味が好きかどうかがローチョコレートを好きか嫌いかの分かれ目になるかと考えています。(私個人的には焙煎されたものよりもローチョコレートの味の方が好きです。)

 

Tomoko
私ははじめてローチョコレートを食べたとき、今まで食べていた普通のチョコレートとの違いと美味しさに衝撃を受けました。ひとくちに「ローチョコレート」と言っても種類が豊富にあるので色々なお店のローチョコレートを試してみるのがおすすめです!

 

どこで買える?

ローチョコレートを買える店舗はまだまだ少ないため、基本的には通販がおすすめ。(ネットで「お住いの地域名+ローチョコレート」で検索してみてもしお近くに店舗があればラッキーです!)

その他、百貨店でのポップアップ、マルシェやチョコレートイベント(CRAFT CHOCOLATE FESTIVALなど)、ヴィーガン系の食のイベント(ビーガングルメ祭りが代表的)に出店していることもあるので情報を逐一チェックしましょう。

通販で買える私のおすすめローチョコレートは以下の記事でご紹介しています。

 

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Tomoko
私の作っているローチョコレート、OPENER Chocolateもおすすめですのでぜひチェックしてみていただければ嬉しいです!

 

まとめ

以上、「ローチョコレートとは?」というテーマでお伝えいたしました。

ローチョコレートと普通のチョコレートの違いや、そのメリットについてお分かりいただけたでしょうか。

一度その魅力に足を踏み入れるとなかなか抜け出せないローチョコレートの世界。

とても美味しく、健康や美容にもメリットばかりで心身ともに状態をワンランクアップさせてくれる素晴らしいチョコレートですので、ぜひ日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。

(ここまで読んでくださりありがとうございました!)

  • この記事を書いた人

Yamauchi Tomoko

OPENER Chocolateのオーナーショコラティエ。 広告代理店勤務を経て、Raw & Vegan & OrganicチョコレートショップのOPENER Chocolateを運営中。

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